2010年8月23日月曜日

一生懸命ですか。

一生懸命だったか否かの判断は、その結果がどうであったかによって判断されがちである。

彼は残暑厳しいハイウエイオアシスのベンチでぼんやり一人佇んでいた。
日曜の朝の高速道路は、これから楽しいところへ向かう家族や恋人たちで賑わっている。
若干の居心地の悪さをこらえつつ、のんびり朝マックを堪能しているであろう友人を待つ。

30分の遅刻の理由を、今回は「商品名もおぼつかないマック店員の不手際だ」と言い張る友人を無条件に受け入れる彼の大人な対応は特筆すべきものであったという。
その場に黒髪の乙女がいたならばきっと惚れていたであろう。

彼は岩登りに行くという友人の新車に便乗して岐阜県下呂市へと向かった。
彼の周りにはなぜだか岩を登る知り合いが多いのである。
「満場一致でDカップが理想ということです」とのどうでもいい議論結果を報告されつつ1時間ほど走った頃、岩があるという河原に到着。

すでに多くの若者が岩にピョンピョンと飛びついていたが、そんな若者たちを横目におもむろに大きなマットを広げて横になり目を閉じるキシスケ店長。
岩登り中のキシスケ店長

「ははん、こういうのも岩登りなんだな」と一を聞いて十を知る彼。
その横で「ウマイウマイ」を連呼しながらヨーグルトを食すこーちゃん。
「あー、岩の下でスイーツもまた岩登りか」と急速に知識を吸収する彼。
そうかと思えば自称がんばり屋さんは若者たちに交ざってピョンピョンやりだした。
「ふふん、あれも岩登りだな」

「一緒にやりませう。」と誘ってくる自称がんばり屋さんをしばらく観察していると、スイーツ明けこーちゃんがピョンをパシッしてガクガクっと登った。
どうやら一生懸命やればそれくらいは出来るのだという。 
称賛を惜しまない若者たちと対照的に死んだ魚のような眼をする自称がんばり屋さんを前に、彼は感情の表現法を見失ったという。
ピョンをパシッしたこーちゃん
つまらないものでも見るかのような眼の自称がんばり屋さんが懲りもせずピョンピョンしていると、さっきまでマットの上で一人岩登り中だったキシスケ店長が「ビクンッ!」と魚のように飛び起きてピョンピョンに加わってきた。
さすがに一人でストイックに岩登りに集中していただけあって程なくピョンをパシッ したがドサッした。
これには納得いかないらしく店長はすぐさまピョンをパシッしてフフフンと登った。
これもまた一生懸命さのなせる技だという。

飽きた様子のこーちゃんとキシスケ店長が各々マットの上で横になっての岩登りに夢中のなか、取り残された自称がんばり屋さんも何度かピョンをパシッしかけたが、最終的には「飽きて」やめた。
どうも諦めたわけではないようだ。
ピョンをパシッしかけた自称がんばり屋さん

努力に結果が伴わなかった自称がんばり屋さんは、こーちゃんとキシスケ店長の「一生懸命さが足りないんだ!」という罵詈雑言に死んだ魚の目をして呟いた。
「自分が一番がんばってたのに...。」
その場の全員が一様に飽きた様子になった為、別の岩へと移動することになった。
ピョンピョン岩で合流した強々さん夫妻とともに 岩ゴロゴロ地帯へ行くもずぐさま土砂降りになってビショビショになって撤退した。

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